<<令和5年度 PSP/TSP成果報告会を令和6年3月18日(月)に開催します。>>

九州工業大学

- PSP/TSPに基づく実践的ソフトウェアエンジニアリング教育 -

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目的

九州工業大学におけるソフトウェアエンジニアリング教育では、高度な情報通信技術を理解し、活用できる人材を育成することを目的とします。
九州工業大学は、2007年より米国カーネギーメロン大学ソフトウェアエンジニアリング研究所(CMU/SEI)と連携し、パーソナルソフトウェアプロセス(PSP)、およびチームソフトウェアプロセス(TSP)を大学院教育に取り入れ、情報化社会を牽引する高度情報通信技術者の育成に取り組んでいます。また、需要創発PBLにおける大学院実践演習において、PSP/TSPを実プロジェクトに適用しています[PSP/TSPによる実践的なICT人材の育成と課題教育ブレティン,2013年度版, pp.45 - 56]。

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内容

PSPとTSPの概要を以下に述べます。

PSP は、Watts S. Humphreyにより開発されたソフトウェア技術者のための自己改善のプロセスです。その基本的な考え方は、ものづくりにおける品質改善手法と類似している点が多いです。ただし、ソフトウェア開発は、ソフトウェア技術者が自身の開発プロセスを自律的に管理せざるを得ない知識集約型の労働であることから、個人のスキルや規律に重点が置かれています。 下図は、PSPにおけるプロセスの発展、およびPSPとTSPとの関係を示したものです[TSPiガイドブック]。PSP0、PSP0.1においては、欠陥記録、時間記録、規模測定、改善提案、およびこれらを確実に実施できる規律の重要性を学びます。PSP1、PSP1.1においては、要求の実現に必要な部品の同定と、これに基づく規模と時間の見積り、開発計画と進捗追跡を学びます。PSP2、PSP2.1においては、品質見積りと品質計画、設計とコードのレビュー、ならびに設計テンプレートを用いた設計と検証を学びます。

図2

SEI認定のPSPトレーニングコースであるPSP for Engineersは、PSP Part I: Planning(PSP0〜PSP1.1、以下PSP-Planning)とPSP Part II: Quality(PSP2〜PSP2.1、以下PSP-Quality)の2つのコース(各5日間)からなります。各コースは、午前中の講義の後に演習課題が与えられ、最終日にはレポート課題が課されます。受講者は、この演習課題の実施を通じて、欠陥記録等の履歴データに基づいて自身の問題点を定量的に分析し、改善方法を定め、その実施結果から改善効果を確認することができます。

TSPは、PSPを修得した技術者から構成される自律的なチーム作りと、そのようなチームによる高品質ソフトウェア開発を誘導する枠組みです。ここで自律的なチームとは、顧客要求を満たすチームゴールの設定、それを達成できる開発戦略と計画の立案、その遂行の計測と追跡をチーム自ら実施できることを言いいます。TSPには、プロジェクトの重要なプロセスの一つとして立ち上げ(Launch)があります。立ち上げは、メンバ間でゴールや責任を共有して結束力を高めることにより、自律チーム作りを支援するプロセスです。下図に立ち上げプロセスの概要を示します[TSPiガイドブック:リーダー編]。この立ち上げにおいて、チームゴールを設定し、実施可能な開発計画や品質計画を作成できるのは、各メンバの生産性等に関する定量的なデータがPSPを通じて揃っているからに他なりません。

図2
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内容

実践的ソフトウェアエンジニアリング教育の体系は、PSP/TSPを中心として下図のように構成されています。

図2
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内容

実践的ソフトウェアエンジニアリング教育では、個人を対象とて自己改善を目的とした規律正しいソフトウェア開発手法を習得するためのPSPコース、PSPを体得したメンバーを集結してチームビルディングやチームマネジメントを習得するためのTSPコース、TSPを習得したメンバーが実プロジェクトに適用するコースを実施しています。下記にそれぞれのコースにおける概要と効果を示します。

  1. PSP (Personal Software Process) コース
    • 期限や予算を守りつつ高品質ソフトウェアを開発できる個人レベルのスキルを習得します。
    • CMU/SEIの正規コースと同等の修了証書を授与します。
    • 単体テストの欠陥密度(1000行当り欠陥数)を約80%低減する品質改善効果がありました。
  2. TSP (Team Software Process) コース
    • 高品質ソフトウェアを開発するためのチーム作りとチームマネジメントに関するスキルを習得します。
    • システムテストで多くのチームが無欠陥を達成(SEIの研究者から高い評価)しました。
    • 令和5年度のPSP/TSP成果報告会を、3月18日に予定しています。案内は、こちらを参照して下さい。
  3. 大学院実践演習(需要創発コース)
    • これまでのテーマ
      • 小売業のサプライチェーン支援
      • 造船所の生産設計支援
      • 地域医療連携支援
      • 橋梁設計自動化支援
    • 情報工学府需要創発コース報告会は、こちら(平成26年度平成27年度,平成28年度,平成29年度)をご参照下さい。

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